03.レッドは、知る

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追いかけたくなる、というより。 まあ、初めは向こうから突進してきたんだけど。 ふと、思い出して笑うと志麻はご機嫌だね、と呟いた。 「…お前以外に、爆走女がいたとは。」 「何それ。」 眉間に皺を寄せて怪訝そうな顔を見せる志麻にクツクツ笑って、そろそろ時間だと立ち上がる。 昴、と呼び止める志麻に振り向くと。 「…出会った感想は?」 頬杖をついて、やけに挑発的な目でそう尋ねる志麻。答え分かってるくせにタチが悪い。 「そうだな。とりあえず、幸せだわ。」 珍しく声を出して笑いながら、志麻はおめでと、と言った。
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