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人数が揃い、運転担当のヤツにぐいぐいと問答無用でレンタカーへ押し込められる。二台目に運転手が乗り込み、小池が美香ちゃんと二人の女性陣をエスコート。平太は「ちょっと待ってちょっと待て!」と大騒ぎ。だけど、久世に「早く乗れ」と三台目に押し込まれてしまう。僕と一緒に。
あぁーあ……美香ちゃんと離れちゃったね……。
まぁ、先は長いんだし。
「んっだよぉ~」
なんて、頬をブーッと膨らませ口を突き出している平太の肩をトントンと叩いた。
「UNOでも、する?」
「……うん」
平太は口を尖らせたままだったけど、しぶしぶ頷いて、僕の横にいる森ぃを覗き込む。
「森ぃもするだろ?」
「いいよー」
「久世もやれよー」
完全に八つ当たり口調で命令してる。
「はぁ? いきなりかよ。でも、運転手可哀そくね?」
やいや、やいやとUNOをしているうちに平太の機嫌もすっかり回復した。
これでいいじゃん。
こうやって、野郎ばっかりでワイワイが楽しいし。平太だっていつもどおり、イイ顔してる。
これがいい。
でも、そういうわけにはいかないんだよね……。
「UNO」
「マジで? 拓ちゃん早くね?」
「誰か止めろ!」
「無理だよ~。リバースするから拓をやっつけろ」
「俺なんもないもーん」
「使えねー」
「使えねぇ言うな」
「なんでもいいから、早くしてよ」
「キーーーー!」
「お前ら、スーパー入るぞー」
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