幼馴染はお天気雨

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 レンタカー三台連なり、スーパーの駐車場へ入っていく。車を降りて、美香ちゃんを見たらまたソワソワが始まるのかな? って思ったけど、平太は森ぃと変顔して遊んでいた。 「買い出し班決めるぞー」  その声にビクッとする。  広いスーパー。わいわい買い物してる間に、こっそりと抜け出せなくもない状況といえる。  チラっと平太へ目を向けると、まだ変顔大会をしていた。 「女子は野菜とか、タレとかもろもろね。俺らわかんねーし。男子は肉、ジュース、お菓子だー!」 「おー!」  あれま……。  菊地ナイスです。  男女で別れるとなると、こっそり抜け出すのは難しい。 「肉いこーーー! 肉ー!」  平太は早くも大きなカートを持って大はしゃぎだ。  大きなカートはあっという間にいっぱいになって、レジにとおしてその金額に慄く僕ら。ジュース系以外はめんどくさいから段ボールに詰めて、再び車に乗り込んだ。  スーパーを出て、大きな橋を渡るとあっという間に緑に囲まれたバーベキュー場へ着いた。山のふもとにあるバーベキュー場で、頑張ればスーパーまで歩けなくもない便利な距離。  車を降りる度に平太の視線が気になる。でも、荷下ろしだ、手続きだ、と忙しく、僕の心配はことごとく杞憂だった。  僕らが拠点を構えたのは大きな木のそばのテーブル。暑かったら木陰に避難できるし、テーブルの前方は開けた芝生になってて、バトミントンやフリスビーで遊べる十分なスペースがあった。でも、遊びはバーベキューのあと。  まずはバーベキューの準備だ。
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