首都生活編

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首都生活編

とりあえず、会議の件は落ち着いた。 国王や学園長には、私のことは公表しないでくださいと頼んだので、明日、戦争が終わったことが知らされるはずだ。 私は明日から普通に学園に登校していいと国王と学園長に言われたので、明日の用意しないとな。 お金いっぱいあるし、買い物行こう。 ファレアたちは転移で学園まで送り、また明日、と別れた。 「ケイト、リヒト、あと神様。買い物付き合って」 「りょーかい!」 あとのみんなには留守番を頼んで、私達は買い物に出発した。 「えっと、買うのは鍋とー、家具とー、あと服?」 ラビトット達が拠点の近くに住むなら、ただ家を建てるより町を作った方が手っ取り早いと思う。 ので、町を作ろうと思う。 お金あるし。 金ならあるんだ!的な台詞をよもや私が言うことになろうとは。前世では夢にも思わなかったよ。 まあ、掃いて捨てようとはとても思わんが。 ただ、それより先に、家を完成させようと考えましてね。 ベッドとかは木で作れるとして、布団とか棚なんかを買わないと。 星金貨をギルドにある両替口で金貨や銀貨に交換してもらった。 受付の女の人が驚いて私と星金貨を二度見した時の顔が忘れられない。 で、買い物だが、ファレアやラウザンがお勧めしてくれた店に行く。 まずは鍋だ。 「こんにちはー」 「いらっしゃ――っ!」 店から出てきたおばあさんが、ケイトとリヒトを見て目を見開いて駆け寄ってきて、ガバリと頭を下げた。 「本当に、本当にごめんねぇ…!毒なんぞを飲ませてしまって…アイツのいう事を信じた私が馬鹿だった…!許しておくれ」 毒? 「いえ、気にしないでください。おばあさんのせいではありませんから」 「全部ローアと国王のせい」 なるほど、おばあさんがローアか国王にケイトとリヒトに毒を飲ませるように言われ、おばあさんはそれを毒だと知らなかった…ってところかな。 「お詫びに、店の者なんでも好きなだけ持って行っておくれ」 「え!?いや、それは駄目ですって!」 「商売にならないだろ?」 「いいんだよ。さあ、持っていきな」 と、譲らないおばあさんに根負けし、半ば押し付けられるような形で、私達は鍋を五つと鉄製のフォークとスプーンとナイフがセットになったものを50組もらった。 「ありがとうございました、おばあさん」 「何、気にしないでおくれ。当然のことだよ」 おばあさんにお礼を言い、次の店に向かって歩き出す。
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