学園祭

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本選出場者たちの表情が引き締まる。 「司会・実況は、私、ネウルス・リグ・ナレトーニと、横にいるギューレ・シナ・ホイダーフェがつとめさせていただきます!」 あ、ギューレ先生。 「早速だが、剣術部門の試合を始める!」 「第一試合の出場者は、3年、マールイ・シナ・キーリィ、一年、キッド・クレイ・アートイス!」 あ、キッドだ。 「キーリィは去年本選の第一試合目で敗退し、くやしさを胸に、剣士であるトゥーリン・ロイ・レナバーブのお父上に弟子入り!剣も新しくし、気合十分です!」 「そしてご存知、我が国の第三王子、キッド・クレイ・アートイス!幼い頃から剣の才をさらに伸ばすための修業を重ねているのだとか!」 え、第三王子? お兄さんが二人もいるんだ。 「それでは、用意…はじめ!」 両者とも、動かずににらみ合う。 と、キーリィが動いた。 「おっと、キーリィが仕掛ける!」  きぃん 剣がぶつかり合うが、どちらもまだ本気じゃなく、様子見だ。 「どちらも剣の動きに無駄が少ないな」 「互角のように見えますね!」 キッドの真剣な表情、久しぶりに見た。 うん、真面目な顔してるとちゃんと王子っぽく見える。 何度目かのキーリィの剣を受け止め、キッドがフェイントで剣を振ると、キーリィが後ろに跳んだ。 「なかなかやるじゃないか、王子」 「当然だろうが!」 今度はキッドが動いた。 また剣のぶつかる音が響く。 キッドが若干、受けの一方だ。 と、キーリィが一歩前に出てキッドの剣をかわし、斬りかかる。 が、キッドは剣で受け流し、攻勢に移った。 「キーリィが優勢でしょうか!?」 「いや、王子もよく受けている」 思わず息をのむ。 キーリィが一歩踏み込んで突きの構えをとる。 キッドは横に跳んで低めの剣、しかし後ろにとんで避けられる。 キーリィの剣がななめ上からキッドに迫るが、それに応じて高く剣を持ち受け流す。 どちらも引かない。 「二年の学年の違いを忘れる試合です!互角…いや、少し王子が押され気味でしょうかー!?」 キッドが連続で斬りかかるが相手もそれを防ぐ。 と、 「キッド、見苦しいぞ!」 その声にハッとし、キーリィの剣をキィンと弾いて後ろに跳び、距離をとった。 「何でいるんだ…」 「頑張れよキッド!」 そう言って応援する先程の声の主は、19歳くらいの青年だった。
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