学園祭

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「もうすぐ…もうすぐだ。楽しみだね、*******!」 「…ええ」 「え?テンション低くない?まぁいいや。駒はいっぱい用意しといてね」 「…了解しました」 「うふふ、楽しみだなぁ!」 「…本当に、やらなければいけないのですか」 「何言ってんの、当然でしょ?いっぱい待ったんだから、ド派手に遊ぼうよ!」 「できれば、私は、その…遠慮、したいのですが」 「は?消すよ?」 「…なんでもないです…申し訳ございません」 「よしよし、いい子いい子。じゃ、用意は頼んだよ!」 「…御意」 「それでは!ただいまより、剣術部門決勝戦を行います!」 いよいよ決勝戦だ。 「七年、ダンク・フォン・ナトゥア!その剣に、この学園の教師とて誰ひとり勝ったことはありません!ときにパワーで、ときにスピードで相手を圧倒する、まさに変幻自在!剣術の天才です!」 ダンク兄様が結界の中に入り、剣を構えた。 「一年、ルードス・ルーア・ライグンツイ!初出場の一年生でありながら、昨年の準優勝者であるドゴルファを退け、決勝戦に勝ち残った!力強く、かつ繊細で緻密な剣筋の、期待の新星だ!」 ルードスさんが、珍しく緊張した面持ちで結界の中に入り、剣を構えた。 「両者構え!用意、」 ルードスさんが両足に力を入れる。 「はじめ!」 場の緊張感が合図と同時に急激に高まり、観客の感心が結界の中という一点に集まった。 その中で、二人は剣に切っ先を突き合わせて間合いを詰めた。 「戦えてうれしいぜ」 「オレもです」 ダンク兄様がにっと笑う。 次の瞬間、ルードスさんに迫った。  キィン! 受け止めたルードスさんの剣が、兄様の剣をすくいあげるように動き、押し返す。 そして踏み込み斬りかかるが、用意に受け止められる。 しかしそれは予想しきっていたらしく、その間を利用して左足で蹴りを放つ。 兄様はリズムをとるように後ろへの軽いステップでそれをかわし、また一気に距離を詰めた。 ルードスさんも負けじと剣を振る。 兄様は受け止めるか受け流すかで対応し、ルードスさんの攻撃の合間の隙に攻撃をしかける。 ルードスさんが兄様の剣を避けきれず、左肩に血が滲む。 ダンク兄様がすかさず追撃するが、怪我など無視して受け流すルードスさん。 右から左へと振ったルードスさんの横薙ぎの剣を後ろに退がって避け、ななめ下から斬り上げた兄様の剣をルードスさんが踏み込んで至近距離で受ける。 相手の剣筋が逸れた一瞬に突きを繰り出すが、手首をつかまれ、勢いを利用して投げられる。 受け身をとって立ち上がり、剣を振り上げた兄様の懐に再び滑り込んだかと思えば剣を背中側に受け流し、剣を弾いて後方に跳んだ。 「間合いをとってもだめ、詰めてもだめ…小細工は通用しませんか」 「そういうことだ」 ルードスさんが劣勢だ。 ダンク兄様にはまだ余裕がある。 しかし、二人の共通点は楽しんでいること。 兄様はもちろん、ルードスさんも額に汗を浮かべながら笑っていた。
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