異変

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「広尾、大丈夫か? 一度、大きく深呼吸をしてみろ 落ち着いて、そうだ ゆっくりでいい、深く、ゆっくり 焦らなくていい すぐに楽になるはずだ」 背中を擦りながら、落ち着かせてやる まるで何かに怯えているように震えている広尾 普段の様子からは想像もできない様子だ 本当に花紋病の影響なのかはわからない なにせ、こんな症状は聞いたことがないからだ ヒュウヒュウと荒かった呼吸が落ち着きだす 「マシになったか? 何があったか話せそうなら、話してくれ 無理はしなくていい」 「わからない………ただ、急に…… 不安になって………怖くなって、痣が痛んで……… わけが、‥わからない」 胸に顔を埋めながら、ゆっくり、呼吸を整えながら話す広尾 「前に過換気症候群…つまり過呼吸を起こしたことはあるか?」 首を横に振る 「そうか…まぁ、とりあえず落ち着いてきてはいるみたいだ 症状を調べるのは完全に落ち着いてからにしよう 今は、そっちに専念しろ」 「………う、ん」
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