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「広尾さんのさっきの症状について、同じ奴が数人いたってさっき言ったよな
そいつ等に共通してる点は、まずは同じ家紋病を患ったパートナーがいること
それから、パートナーが遠く離れようとした、または離れた
全員距離は違ってたが、広尾さんと同じ様な症状が起きていた
そして、パートナーが戻ってくると症状が収まる
その症状は、広尾さんと同じ過換気症候群を起こしていた
これは俺の推測だが、おそらく花紋病がパートナーが離れることに対して強い不安を呼び起こしてるんじゃないかって
ただ、これが全員じゃなくってほんの数人にだけ現れてるのが謎なんだよな」
「なるほど…その数人に何か共通点はないのか?」
「それがあったら苦労してないな
互いの趣味や、職業、出身地、俺が調べれる分は全部調べたんだが、何も共通点が見つからない」
「記者はどいつもこいつも悪趣味だな
しかし、それおを持ってしても調べられないか…となると、内面の問題か?」
「サラッとディスられた気がするけど、まぁ置いといて
二人の関係性も普通って感じだったな
特に仲が悪いわけでも、良いわけでもない」
「一つよろしいでしょうか
これは仮説なのですが、過換気症候群を起こされた方は、何か過去に強いトラウマを経験していたのではないでしょうか
そのトラウマの不安の部分だけを増幅させているとしたら」
「なるほど、その考えはなかったな
広尾さんはどうなんだ?」
「…………あることには、ある」
「へー、どんなトラウマが?」
「伊藤、それは今は関係ないだろう」
「うわ、珍しく悟が怖い顔してる
どうしたんだよ、お、まさかお前…」
「とにかく、リリアの推測はあってそうだな
これからは気をつけることにしよう
それから、頼んでいた怪異のことは何かわかったか?」
「それなんだがな、このH市内で最近噂になってる怪異について調べたら、廃小学校に最近出るって噂んだよ
その小学校の近辺で花の匂いがキツくなってきたって言われてな、多分黒だ」
「そうか
どんな怪異かはわかるか?」
「確か、近辺の住人によると子供見たいな人影を見たとか言ってたな」
「よしわかった、今夜その廃小学校の調査をしよう
ありがとう伊藤、また何か怪異について情報が入ったら教えてくれ」
「了解
じゃぁな、広尾さんもまた今度噂の真相教えてくれよな」
「真相も何もない!
全部デマだ」
去っていく伊藤の背に向けて吐き捨てる
「すまないな、あいつは昔からあんなやつでな
根はいいやつなんだ、ただちょっと知りたがり過ぎなだけなんだ」
「フン、まぁいい
あいつのことは放っておいて、準備をするほうが懸命だな」
「そう、だな」
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