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廃小学校へ
―夜は怪異が活発化する
怪異を調べ、怪異の恨みの元となるものを見つけよ
さすれば、怪異を倒す導が見える
怪異を倒せば、元凶である怪異へと近づき、花紋病の謎も解けるだろう―
「ここ…か」
黒ずんだ外壁や、割れた窓
暗闇の中に佇む校舎は、不気味な雰囲気と言い知れぬ恐怖を漂わせていた
怪異は、ここに確実にいる
そう感じさせるのは、開きっぱなしになった昇降口から漂う、異様な程に濃い花の匂いのせいだろう
「行くぞ」
八ノ瀬の背に続く広尾の足取りは重い
花の匂いは、あの時の物とは少し違う気もするが、
異常に濃い花の匂いはやはりあのときのことを思い出してしまう
中はホコリやカビの匂いと花の匂いが混ざって、気分が悪くなりそうだった
「あまり長居はしたくない匂いだな」
「あぁ、なるべく早くしたほうがいいだろう
怪異が素直に倒されてくれれば、の話だがな」
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