新たなる怪異

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新たなる怪異

「珍しいな、お前が新聞をそんなに熱心に読むなんてな」 八ノ瀬の奇妙な行動に、驚きを隠せない 「いつもは新聞なんて、チラッと目を通して放置しているだけのくせに」 「いや、気になる記事を見つけてな これは一度調査したほうがいいと思ったんだ」 「怪異か お前が食い入るような大事件でも起きたのかと思ったよ 今度はなんだ?」 『行方不明者多数 警察や近隣住民も警戒を強める M山麓公園からM山道休憩場、M山頂上付近休憩場にかけて行方不明者が出ています 行方不明者はいずれも男女のペアで、 警察の調査によると、現場には強い花の香りが残っていたことから いずれの行方不明者も、何らかの犯罪グループに巻き込まれた可能性が高いとしています』 「ほぅ…興味深いな M山の辺りは元々心中や、カルト集団の噂が絶えない 実際に俺も何度か捜査に行ったな」 「その時、何か異変はなかったか?」 「いいや、なにも 見つかるのは仏だけだな だが、花の香りなんか一度もない 恐らく、怪異の影響だろうな」 「ということは、次の目的地はここで決まりだな」 「そうですか…M山の方ですか あの山は北に自殺の名所で有名なM山樹海もありますから 怪異の元となる者達もたくさんいらっしゃるのでしょう しかし、今回は山の東側の場所で影響が出ているのですね お気をつけください あそこは…あの山一帯はもとより強い怨念が渦巻いております それらが今生まれた怪異、並びにそれを生み出した怪異の影響を受けていないとは言い切れません」 廃小学校に向かう時よりも一層心配した様子のリリア それほどまでに、M山付近の地域は曰く付きで危険な場所だということがわかった
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