かつての同僚

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小さな声で吐き捨てるように言い、そのまま近くのベンチに座る 「あの…広尾さん」 先程、有村と一緒に戻っていった中村が戻ってくる 「さっきはその…大変申し訳ありませんでした」 「なんでお前が謝るんだよ」 「いえ……その」 「お前の責任じゃない、別に気にするな お前も大変だな、あんなのと一緒にされて」 「は……はい…まぁ 僕も広尾さんと仕事がしたかったなぁ」 「馬鹿なこと言ってないで、早く戻れ あいつがまたヒステリーを起こすぞ」 「中松!! そんな奴は放っといて早く来なさい!」 「は、はい!! それじゃ、広尾さんお元気で」 「ハァ……変わらないな…どいつもこいつも」 「あの様子だと、現役の頃は大変だったようだな」 「あぁ、大変どころかストレスだったよ 口を開けばあいつから出てくるのは、俺に対する文句ばかり 森宮さんに色目使って、それに答えてもらえないからってこっちに八つ当たり 中松は、ずっとオロオロしてそれを見ているだけ 森宮さんが来るまで、ずっと言い合いが続いたな」 最後の言葉だけ懐かしむような声になる 有村との言い合いも含めて、大切な思い出なのだろう 「なぁ…広尾 さっきから出てくるその、森宮ってどんな人なんだ?」 「自殺しようとしてる奴とか、かわいそうな奴を放っとけない物好きで優しい人だった 親であり、恩人であり、尊敬する人だ」 「そう…なのか…… ウワッ!!、ゲホッゲホッ、急に何するんだ?!」 顔に向かって煙を吹きかけられる 驚き咳き込む様子を見て、抑えるように笑う広尾 「神妙な顔つきをしてたんでな、つい クククッ‥アハハハ!」 堪えきれずに、声を上げて笑い出す 「そ、そんなにおかしいか?」 「あぁ、おかしいさ まるで俺が、森宮さんのことを好きじゃない事に安心してるみたいな感じで フッ、フフフ 一体何考えてたんだ?」 「いや、別に何も ただ気になっただけで…」 「フフ、見え透いた嘘だな まぁいい、いい気晴らしにはなった」 「そ‥そうか、それはよかった」 笑われたことは不服だが、 珍しく笑っている広尾を見ていると、そんな気も失せていった 有村似合ってからずっと張り詰めていた空気も、自然とほぐれていった ピロロロロロロロロ!! 公衆電話の呼び出し音が高らかに響くまでは
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