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彩香ちゃんもにこっと笑うと「明日から、また楽しみになってきたね」と言って周りを見回した。
そして明音さんを見つけると「明音さん!」とまた大きな声で呼んで、部屋へ向かおうとしていた明音さんの元に駆けていった。
おお…若いのぅ…
あたしより年上だが。
あたしはふう、と息をつくと二人を追って歩き出そうとした。
「あら、最年少さん。
どうなさったの、お疲れになった?」
ふいに背後から声をかけられて、あたしはびくっと体を震わせ振り返った。
「あら、ごめんなさい。
そんなに驚かれるとは思わなくて」
手を口元にあてて目を丸くして立っていたのは、新里麗奈さんだった。
平成の頃の盛り髪?みたいに高く結い上げたダークブラウンの髪に、真珠をあしらった髪飾りを巻き付けている。
アクセサリーはすべて色の違う真珠でまとめられていて、透き通るように白い肌に映えて上品な印象だった。
たっかそう…
さすが、シンザトグループ総帥のお嬢様。
あの真珠の一粒で、あたしの今のコーデ全部賄えそう。
「樹さんをずいぶんお気に入りのようね。
村上さん、あのライブコンテンツの配信者さんにたくさん声かけたそうだけど、出演OKだったのはあなただけだったって。
以前から樹さんをご存知だったの?」
村上さん…?
あたしは首を傾げて、あ、番組のプロデューサーか!と思い出す。
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