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9話
あの言葉の意味が気になって仕方なくて、今日1日自分が何をしてたのか、よく思い出せない。
私は定時で帰れたけど、課長はまだ無理そうだったな…
落ち着かないし、晩ご飯でも作ってようかな。
…あれ?今玄関の音がしたような…
「…ただいま。」
「あ…おかえりなさい…」
予想外に早い課長の帰宅。
課長が帰ってきたら、朝の言葉の意味をすぐに聞こうと思ってたのに、いざとなるとどう切り出したらいいか迷ってしまう。
「あの、課長。その…」
「…朝の事なら、忘れてくれて構わない。」
「…どうしてですか?」
「俺にあんなこと言われても、お前は迷惑だろう?」
「迷惑?…だったら何で、皆の前であんなこと言ったんですか?」
「それは…」
こっちは1日中落ち着かない気持ちでいたのに、忘れていいなんて。
ちゃんと、課長の気持ちが知りたい。
「…社内の男にも、他の誰にも渡したくないと思うぐらいに、お前が好きだから。どうしても、言いたくなったんだ。」
「課長…」
はっきりと好きだと伝えられて、嬉しくて目の前が霞んでくる。
「でも別に、断ってくれて構わない。年も離れているし、上司だからと気を使う必要は…」
「嫌です。絶対断りません。」
私の言葉に、驚いた様に目を見張っている。
「だって、私も課長の事が好きだから。」
「…本当に、気を使う必要は無いんだぞ。」
「私は、課長の事が本当に好きなんです。」
そうはっきりと伝えると、凄いスピードで課長が近づいて来た。
「え?あ、あの、どうし…」
「じゃあ、もう我慢しなくていいんだな?」
「我慢…?」
「…一昨日、酔ったお前の無防備な姿を見て、もう少しで襲いそうだった。」
「へ…?」
「我慢するの、凄く大変だったんだからな。あまりにもお前が可愛くて。」
あの時と同じような溜め息。
今は、そこに熱が籠っているのがはっきりと分かった。
…もしかしてあの時のって、私の醜態に呆れたからじゃなかったの?
「…美音。」
「っ…」
初めて呼ばれた名前に、全身に甘い痺れが走った。
そんな甘い声で名前を呼ばれたら、それだけで腰に力が入らなくなる。
「今日は俺の部屋に連れて行くからな。」
言うが早いか、あの時と同じように抱き上げられてしまった。
「課長、あのっ…」
「その呼び方はもうやめろ。プライベートで課長なんてお前には呼ばれたくない。…美音。分かるだろ?」
「んっ…」
耳元で囁かれて、思わず吐息が漏れてしまった。
…絶対態とだよね…
「美音、呼んで。」
「ゆっ…雄哉、さん…」
促されるまま名前を呼ぶと、一瞬で嬉しそうな笑顔になった。
それが嬉しくて、私まで釣られて笑顔になる。
「んっ!んん〜…!はぁっ…」
「…頼むから、あまり俺を煽らないでくれ。そんなに可愛い顔をされると、ベッドまで待てなくなる。」
急に奪われた唇から名残惜しそうに離れて行くのを、見つめている事しか出来ない。
聞きたい事が他にもあったはずなのに、もう既に何も考えられなくなってる。
そのまま彼の部屋に運ばれて、ベッドに優しく寝かされると、大事そうに抱きしめられた。
「…お前も久しぶりだろうし、優しくするつもりだが…余裕が無さすぎて正直自信がない。」
そんな風に吐息混じりに言われたら、こっちだって余裕がなくなる。
「いいです。…雄哉さんの事、好きだから。」
「ばか…必死に余裕を保とうとしてるのに、そんな事言われたら…」
「んっ…ふっぁっ…」
繰り返されるキスに意識が集中していると、急に素肌に触れた熱い手の平の温度に、体がビクッと反応してしまう。
服の裾から潜り込んだ手はゆるゆる這い上がって、2つの膨らみを下着の上から弄び始める。
「あっ…」
「…美音。服、脱がすぞ。…直接見たい。」
抵抗する間もなく下着ごと服を取り払われて、羞恥心に襲われる。
咄嗟に手に触れたもので上半身を隠すと、いつかのフワフワな手触りのクマのぬいぐるみだった。
「…美音、手をどけろ。というか、クマを離せ。」
もしかして、大事なぬいぐるみだったのかな。
「…ごめんなさい。」
「いい子だ。」
手離したクマさんは、何故かそのまま床に置かれてしまった。
あれ?
「まさか、ぬいぐるみに嫉妬することがあるなんてな…」
「…嫉妬?」
「俺の前に、美音のここに触れただろ?」
そう言って、もう硬くなっている2つの尖りを指で弄り始める。
そんな事に嫉妬するなんて、意外…
「んんっ…!」
「美音に触れていいのは、俺だけだ…」
「んっ…!はっ…やぁっ…」
舌で転がされて、反対側は指で弄られて…
自然と腰が揺れてしまう。
「ん…?下も触って欲しくなった?」
恥ずかしさに首を振って否定しても、そんなの嘘だと分かっているみたいに、そこに優しく触れてくる。
「ぁあっ!」
「…こんなに感じて…はぁっ…やばいな…本当に余裕無くなりそうだ…」
もう既に潤んでいたそこは、彼の指で更に溢れていく。
自分の耳にも段々大きく聞こえてくる水音が恥ずかしい。
「そんなにされたら…やぁっ…!」
「…凄いな。美音、もっと…もっと俺で気持ちよく…」
「やっ…音、やだっ…!ぁあっ…!はっ…」
「可愛いな…もっと可愛がってやりたいんだが…」
「はっ…んぁっ!んん~っ!」
「…美音。もう…いいか?我慢できない。」
放心状態の私に懇願するように言いながら、顔を覗き込んでくる。
そんな熱い瞳で見つめられたら、頷くしかない。
「なるべくゆっくりするから。はぁ…入れるぞ。痛かったら教えてくれ。」
「はっぃ…ああっ!」
「んっ…まずいな…はぁっ…入れただけで気持ち良すぎて…っ」
「んぁっ…あっ…我慢、しなくていい…です…あっ」
「っ…今そんな事言ったら、本当に優しく出来なくなるだろっ」
「ひゃっ…ああっ!やっ…あっ…!」
一気に激しく攻めたてられて、どんどん体の中が熱くなっていく。
「もっ…だめ…!」
「うぁっ…くっ…美音っ」
お互いに昇りつめて熱が解放されると、まだ繋がったままぎゅっと抱きしめられて、顔中にキスが降ってきた。
事後にこういうことをされるのは、初めてかもしれない。
「んっ…美音…好きだ…」
愛おしそうに名前を呼ばれながらキスをされるのは、すごく恥ずかしいけど、同時に凄く幸せな気持ちで心が満たされた。
「ほら、美音。一緒に風呂入るぞ。」
「む、無理です…」
「もう全部見ただろ。今更何で照れる?」
暗い部屋と明るい浴室は違うでしょう?
恥ずかし過ぎる!
「汗かいたし気持ち悪いだろ。風呂で流した方がサッパリするぞ。」
「そうですけどっ…」
何も一緒に入らなくても…
「恥ずかしいだけなら、このまま強制連行する。」
「ちょっ…」
いつまでもごねていたら、痺れを切らしたようにまた抱き上げられた。
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