二番手の恋

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改札からの屋根がそのままコンビニ迄繋がっていたのでそこに入る。 バス停は近いのでそこまでは濡れないで行けそうだったが少し雨の勢いが強いので傘を買う事にした。 入り口脇に傘売場があったのでビニール傘をひょいっと掴んでレジに並ぶ。 前に同じくビニール傘を手にした女性が並んでいる。 2台あるレジの入り口側のレジが空きその女性はそちらへ向かった。 「550円になります。」 「すいません。直ぐ使うのでタグ切ってもらえますか?」 「はい。」 もう一つのレジが空き前の女性に習って同じく俺も店員さんにそう伝えてタグを切ってもらった。 「…?」 右側から目線を感じた。 それとなく振り向いてみると前にいた女性がやはりこちらを向いていた。 でもお互い目が合うと女性の方から目を反らしてしまった。 お釣りをもらいながら必死に記憶を辿っていた。 けれど全く見覚えの無い顔だった。 余り気にもしないで買ったばかりの傘をバッと開きバス停に向かう。
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