二番手の恋

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俺の方に向き直って。 「前に…。城田君ともし付き合ったら優しくしてくれるとか…あと、元気が無い時心配して話を聞いてくれた事が私にとっては全てが嬉しかったんだ本当に。まさか人気者の城田君がそんな風に想ってくれてるなんてって。だけど、、」 「秀也だよね。好きなんだよな新谷。」 ゆっくり頷く。 「城田君とは付き合えない…ごめんなさい。」 分かってた。 分かってたけどすぐ傍で人も歩いてるから泣くなんて出来ない…俺…一応男だし。 「やっぱりな。知ってたよとっくに。ま、でもアイツに何かされたらまた話し聞くよ…じゃあもうバス来るからまたな。」 そう言って雨の中俺はバス停に急いだ。 変な気分だった。 失恋という生まれて初めての体験をした訳だが…。 悲しい…泣いてしまいたいとついさっきそういう感情に浸っていた俺…でもバス停に並んだと同時に何故だかスッと心が軽くて不思議な気分になっていた。 はっきりと断られて気持ちがすっきりしているのは何でなんだ? 振られて悲しいはずなのに…。 そんな事を頭で考えながら到着したバスに乗り込む。
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