二番手の恋

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バスは割と混んでいて奥の二人がけの席だけがたまたま空いているのが見えた。 前の人が先にそこに座ったが一人だったお陰で俺も続いて横に座った。 窓越しに新谷の姿を探したがもう居なくなっていた。 窓から目線を戻そうとした時だった。 「あっ…。」 思わず声が漏れてしまった。 するとその女性が話掛けてきた。 「さっきコンビニで傘買ってましたよね?」 「そうですよね。」 「あの…実は…私、以前にもお見掛けした事が何回かあるんです。」 「確かに最近ここの駅頻繁に利用してますから俺。」 「あ、なんかストーカーみたいな話になっちゃって気持ち悪いですね。すみません。」 「全然そんな風には感じてませんでした。気にしないで下さい。」 女性は多分俺と差ほど変わらない年齢で感じの良い人だった。 「そうですか。良かった。あの…お住まいがこの辺なんですか?」 「いや母親の家がこの辺で。」 「そうですか。私は地元なんです。出来の良い妹が居て何故か実家がここにあるのに駅周辺で一人暮らししてるんです。」 「家賃勿体ない…なんて、はは。」 「本当そうですよね。でも私は正直ホッとしてるんです。」 彼女の顔付きが変わったのを見逃さなかった。 「どうして?」 初めて会った人にこんなに興味を持ったのは初めてだった。
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