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 そしてまた雨の日の夜がやってきて、僕は街へ戻ってきた。  暗い雨の街を僕はまたさまよい歩いた。  僕の姿はあの夜以来、影のように黒く染まっていた。  家に帰ってもこの姿は誰にも見えないらしく、母は僕が姿を消したことを嘆いているばかりで、僕に気がつくことはなかった。
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