とびだせ自宅警備員

始まり

『ははは。さすが俺・・・このオンラインゲーム（トレジャー・クラウン）において俺に勝てる奴はいない。年季が違うぜ』

ズババババ。

『こいつら弱えー。もっと練習しろよな』

ピコン
『あれ。メッセージ来たな。プレイヤーネームはバズか。どうせ俺とフレンド登録して良い思いしようってんだろ。そうはいかないぜ』

『なになに～』
「ゼットンさん強いですね。これだけ強いという事はあなた自身の反射神経や運動能力、戦略的思考回路などリアルのパラメーターもやっぱり高いんでしょうね」

『こいつ何にもわかってねーなー。俺は自宅警備員だよ。いわゆるニートだ。社会不適合者だよ。媚の売り方間違えすぎだよ』

ピコン
『またきた。バズだ』

「なんて言うと思ったかよ。このニート野郎。一日中ゲームばっかやりやがって。仕事しろ」

『な、なんだこいつ。マジむかつく。ブロックして通報してやる。くそ。なんなんだこいつ。ネットに晒すか・・・』

『だけど、このバズってやつの言ってる事は間違ってない。おれは社会不適合者だ。だが、好きでこうなったわけではない。多分おれと同じような奴はみんなそうだろう。好き好んでこんな生活してるわけじゃない。抜け出すきっかけがないだけだ』

ピコン
『なんだ。またメッセージか・・・・はあ？なんでまたバズからメッセージが来るんだよ。さっきブロックしたはずだぞ』