殺し屋

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 鋭い衝撃を胸に感じた。  それはじきに痛みとして認識された。  男は自分の胸を見下ろした。  信じられないものが、そこにあった。  剣だ。  細い剣の先が、自分の胸から生えていた。  男はおののきつつ、ふり返った。  女が細身の剣を彼の背中に刺しこんでいた。 (ばかな、どこに剣が?)  考えかけて、男はほとんど瞬時に理解した。  剣はステッキのなかに仕込んであったのだ。 「悪いわね」  と、女は少しも悪びれずに言った。「このロケットを持ってきた人を殺すようにと、パパから言いつけられていたのよ」  若い男は小さく首をふり、ゆっくりとひざを折った。  遠のく意識の向こうで、さらに女の声が聞こえた。 「今日から、あたしが二代目ホークだわ」                              〈了〉
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