3■球技大会☆双子スター誕生!? SIDE:希(了)

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 悪魔のキス 「キス、した。空也と」  ……。  ……。  ……。 「黙んなよッ、やっぱ話すんじゃなかった!」  アユは腕をどけてそう言った。顔が赤い。  キス?  アユと空也先輩が?  僕は嫌だとかそういうことを思ったんじゃなくって、とにかく驚いてなにも言えなかった。 「い、いつ?」  せっかくアユが話してくれたんだから、なにか言わなきゃって思って、やっと言葉を発することができた。 「んと……ここに来た日。悪魔に会ったって言ったじゃん。いきなり」 「あの時!」  それで、初めあんなにアユは空也先輩を避けようとしてたんだ。 「と、」  と!? まだあるの??  僕は内心びっくりしまくりだったけど、アユがすごく言いにくそうなのが分かったから、なんとか目をぱちぱちする程度に納めた。 「酔って、空也の部屋に行った時。空也にキスされて。俺すんごい酔ってたからさ、なんか気持ちーなーとか思っちゃって。あいつすごい上手いし。あんなキスはじめ……あ、ノン? 大丈夫か?」  顔が燃えてるみたいに熱くって、鏡なんか見なくっても顔が真っ赤だって分かった。 「アユ、空也先輩のこと好きなの?」 「好きぃ? 好きじゃないよ、あんな奴。たしかに、悪い奴じゃないとは思うよ。でも、なんか強引だしキスだってべつに俺からした訳じゃないし。うん、好きじゃないな!」  アユは一気に2つチョコを口に放り込んでそう言った。  それから、僕をじっと見て聞いた。 「なあノン。俺、男とキスしちったよ。軽蔑、する? きもい?」  僕は思いっきり首を振った。 「思わない。そんなこと、ぜんっぜん思わない」 「そっか」  僕が本当にそう言ってるのが分かって、アユは満足したみたいに笑って頷いた。  空也先輩と珠希が付き合ってるっていうのは、違うのかもしれない。  それでも、珠希は空也先輩のことが好きなんだ。きっと。
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