4■球技大会☆双子スター誕生!? SIDE:歩(了)

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その後、オレらのクラスと、空也のクラスのバスケの決勝戦が行われた。 空也は目の前で見ても、すごい迫力だった。 ただ、所々、おかしな感じがしたけど、結局接戦の末、空也のダンクでオレらは負けた。 最後まで派手に決めちゃうなんて、ほんと憎らしいよな。 「ごめん、みんな、心配させて…」 オレは、あらためてクラスのみんなに頭をさげた。 「ほんとだよ、めっちゃ心配したんだからな、1-Fのスターさん」 「ああ、まじですごかったよ、オレらなめてた」 「つーわけで、学級委員として今後も頑張ってくれよな!」 みんなが口々に言って、オレの頭をぐしゃぐしゃにした。 「あはは。めんどくせーこと押し付けやがって。よし!やるからには、みんな気合いいれてもらうからな!どんなイベントも全力投球だ!」 わーっとみんなで騒いで、オレはなんかすごい幸せな気分になった。 やっぱみんな仲良くないとな。 にっと笑って、ノンの所へ駆けて行った。 ノンの隣では珠希がにこにこと微笑んでいて、その隣には、空也が立っていた。 「おめでと!空也」 「ああ、ありがと」 空也が優しく笑って、オレの頭を撫でた。 ひさしぶり。コレ。 「まぁ、当然オレの勝ちだったわけだけどな」 「ほんっと、にくたらしーよな、でもいいんだ。オレらみんな頑張ったし」 うん。楽しかったし。 クラスが仲良くなれたから。 「世の中にはさ、ノンちゃん、努力しない人間もいるんだよ」 珠希がくすくすと笑って、ノンに話し掛けた。 「え?」 ノンが不思議そうに珠希に聞き返した。 「一度見たものは覚えてしまう、運動だってなんでもできてしまう」 そう言って、空也に笑顔を向けた。 「ああ、そうだな」 空也が、勝ち誇った顔で、珠希を見た。 「僕、久しぶりに空也が本気になった顔みたよ。手怪我してまで扉壊した時はびっくりした」 「うるせーな!」 珠希の言葉に、空也が照れたように、顔をしかめてその場を離れようとした。 「え?何?空也怪我してんのかよ」 スタスタと歩き出す空也の後ろを追い掛けた。 「今日はみんなで夕食食べようね」 後ろでノンの声がしたので、振り返って手を挙げて空也を追い掛けた。 「なあ、空也!手当てしよ  うよ!」 空也が突然ぴたりと止まって、振り返った。 「な、なに?」 そのまま、オレをぎゅうっと抱き締めた。 「まじで心配したんだからもう、どうにかなりそうだった…」 「…空也」 そっか、そんなにオレと試合したかったのか。 「ありがとう、空也。そうだよな、オレ、今度は絶対勝つからな」 「へ?」 努力をしない人間の空也が、オレのことはじめてライバルって認めてくれたんだ。 「な?張り合いができてたのしいだろ?」 「…お前は…どういう思考  回路してんだ…」 「え?」 ふぅっとため息をつく空也の顔を見つめた。 「なんでもないよ、約束、忘れてないよな?」 「ああ、なんでも言うこと  聞くよ」 あー、これでお菓子は消えたわけか…。 「じゃあ、夕食の後オレの部屋に来いよ」 「う、うん」 空也がにやりと笑ったので、なんだか不安になってきた。 何やらされるんだろう。 やっぱ疲れたから全身マッサージとか? うあーオレも疲れたよー。 でも負けたしな…。
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