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「……ここどこ…?」
走って生徒会室を出て今。
何故か俺は森…というか、木や花に囲まれている。
…俺、いつ外に出た…?
でも、外というより……植物園のような感じだ。
「すみませーん……誰かいませんかー…」
びくびくと周りを警戒しながら中へと進んで行くが、誰もいないようでどうしたものかと溜息を吐いた。
…来た道を戻ろうにもどこも全部一緒に見えて無理な気がする…。
ここまで自分の方向音痴を恨んだ事はないよ…。
近くの花を見つめながら途方に暮れていた時、ガサッと物音がして「ひっ」と悲鳴をあげた。
「………う、さぎ……!?」
草陰から顔を出したのは可愛らしいうさぎだった。
ひくひくと鼻を動かしながら僕の方へと向かってきたうさぎを僕はしゃがんで待ってみた。
うさぎは僕の膝にぴょこっと乗ってきたのでそのまま抱き上げる。
「…君、人懐こいんだね……えへへ、かわいい…」
勝手に補佐にはなるし、迷子になるしでついてないって思ってたけどこの子に会えたから良かったかも。
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