235人が本棚に入れています
本棚に追加
1
ハローみんな。僕はもう既に後悔をしているよ。
ああなんだって僕は男子が苦手なのに克服するなんて言って男子校にきてしまったんだ…。
右を見ても左を見ても後ろを見ても男子男子男子……当たり前なのはわかってるけど僕は足が竦んで門の前で立ち止まってしまった。
そしてそんな僕を興味津々にジロジロと見る生徒たち。
うう、もう嫌だ…帰りたい…。
端に避けながら膝を抱えて蹲る僕に誰かが話しかけてきた。
「こんな所で蹲って何してんだ?すげー見られてるぜ」
わかってます…!!でも立ち上がる事はおろか、顔を上げる事さえできない。
もう放っておいて大丈夫です。そう言いたいのに今口を開いたら別のモノが出てきそうだ…。
流石にこんな所で吐くわけにはいかない。そんな事になったらもう二度とこの学校に来れない。
何も言わない僕にしびれを切らしたのか彼はなんと僕を抱き上げた。
――しかも俗に言うお姫様抱っこで。
「お前が退かないなら俺様が運んでやる。そのまま捕まってろ」
有難い。だけどーーーもう、ダメだ…。
僕はその男に抱き上げられた瞬間、気を失ってしまった。
気を失う前に何か男が叫んでいたような気がしたけど、僕はそれどころじゃなかった。
…少しでも覚えていたらあんな事には…。
最初のコメントを投稿しよう!