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案の定あの後意識を失った僕は生徒会長にまたお姫様抱っこをされて生徒会室へときたらしい。
らしい、というのは他の生徒会のメンバーから聞いた話だからだ。
…生徒会長はお姫様抱っこ以外の抱っこを知らないの…?
「いや〜かいちょーが連れてきた時はどっかから攫ってきたのかと思ってちょー焦ったよね〜」
「ええ、全く……突然補佐をつけると言い出したり、無理矢理連れてきたり……私は双方合意の上でとばかり思っていましたよ」
「るせぇなぁ……俺様に逆らうのかよ」
「そうは言ってません。もう少し長としてしっかり自覚して頂きたいだけです」
どっかりと生徒会長の席に踏ん反り返って座っている会長を僕はソファに縮こまって見ていた。
…一人称が俺様ってことに誰もつっこまないのかな…それともつっこんだ後なのかな…。
怖くて僕は絶対に聞かないけど…。
僕は仮眠室に寝かされていたのか、目が覚めた時に見知らぬ天井が見えて少しパニックに陥った。
またやらかしてしまったのかって。
丁度僕が起きたタイミングで扉を開けた会長に「お前まじで男ダメなんだなぁ」と何処か感心したように言われてとうとう泣いてしまった。
僕、僕だって好きでこんなのになったんじゃないのに…。
泣き出した僕を見て慌てたように近づいてきた会長に「こな、来ないで下さい!」と精一杯の声をあげると様子を見にきた他のメンバーがきて会長を遠ざけてくれた。
そしてブランケットに包まったままソファにうつされたのであった。
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