父の顔

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大学生になり僕は家を出た。何となく一人暮らしがしてみたかったのだ。両親からはかなり反対されたが何とか説得した。 一人暮らしは時々寂しい時もあるが楽しくて満足している。時々母から電話がかかってきていつ帰るのか聞かれる。お正月には帰ろうと僕は決めた。 寒くなってきた日の昼頃、母から電話が来た。 「お父さんが、突然倒れて…」 電話越しに聞こえる母の声は震えていた。 父が死んだ、あの厳格な父が。 僕はしばらくその場に立ち尽くすことしか出来なかった。
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