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「…あーあ、桜散っちゃってるなー」 今日は、入学式。 私、深月 めご は、高校生になりました。 「めご、おはよう。」 「あ、おはよう。」 この人は 庇護 慎一郎。 高校は別々だけど、中3の終わりに告白されて、 まだ付き合ったばっかりの彼氏。 高校が別々といっても私の住む街には高校が2つあって、慎一郎が行くのは東高。 県で1番賢い学校。 私が行く西高は、逆に県で1番アホな学校。 高校自体は少し離れてるけどご近所さん。 「慎一郎、」 「ん?」 「桜散ってるね」 「あー、でもそんなもんでしょ。昨日雨降ってたし」 「そうだね。」 それでも、一応入学式だし、咲いてて欲しかった。 「今日さ、学校終わったらどこか行かない?」 「ごめん、俺、バスケ推薦で入ってるから練習あるんだ。」 「あ、そうなんだ。」 …慎一郎、バスケ部だったんだ。 私は中3の時慎一郎と同じクラスになったけど正直名前しか知らなかった。 なんで私を好きになってくれたのかもわからない。 「放課後は、遊べないね」 「ごめん。…あと、土日も練習あるんだ。」 「そっか…分かった。」 一緒にいれるのは、朝の10分程度のこの道だけなんだなー。 「じゃあ、また明日。」 「うん、…ははっ」 「え?」 「なんか、朝なのにまた明日って変な感じだね!笑っちゃった、部活頑張ってね、慎一郎!」 「ははは、確かに変だな。っはは」 あ、慎一郎ってこんな顔で笑うんだ。可愛い。 「じゃあ、また明日!」 「また、明日、メール送るから」 「それも明日?」 「それは、今日!」 「わかった、待ってる、」 入学式の後も練習あるなんて、けっこう強豪なのかな?普通なのかな? 「あー!めごーーー!」 「おはよう、小春。」 高崎 小春。 中学2年と3年が同じクラスで、同じグループにはいたんだけど、そういや、ツーショットでの絡みはあんまりなかったなぁ… 「見てたよぉ、庇護君と来てたねぇ」 ニヤニヤしながら見つめてくる。 「まぁ、10分だけなんだけどね、」 「あ、そっか、東高のバスケ部だったら練習で忙しいか。」 「小春、慎一郎がバスケ部って知ってたの?」 「は?知らなかったの?言っとくけど、うちの中学じゃ誰でも知ってるよ。」 「そんなに上手なの?」 「えーーー何も知らずに付き合ったの???庇護君、女子人気No.1だったんだからね。」 「え、モテてたの?」 「そだよ。中学3年間誰とも付き合わなかったのにね。なんで、そんな話してなかっためごなのよ。」 「小春、慎一郎のこと…」 「めちゃくちゃ好きだったわ、顔が!恋愛感情ではないけどね。」 「そうなんだ」 「こうなりゃ、めごには庇護慎一郎ってゆうすごいイケメン彼氏がいるって言いふらして高校3年間モテないようにしてやる!!」 「やめてよ、てゆーか、そんな事しなくてもモテないよ。」 中学の時、小春の方がモテてたじゃん。 明るくて誰とでもすぐ打ち解けて。うちの中学で1番人気だったの小春って、聞いてたし。 高校でもモテるんだろうなぁ。 「あ、めご!掲示板出てるよ!クラス何クラスだろ?」 「あ、一緒だ」 「え!やったぁ!私らは1組だね!めごと一緒でよかったぁぁ、涼風達が違う高校って聞いた時は心細かったけどめごがいるから安心だよー」
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