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「遅くなりました!」
息を切らした真面目そうな青年は早速ポケットから301号室の鍵を取り出す。山内と新田は警察手帳を取り出し身分を明かす。
「有田さん!有田さん!」
管理会社の青年も山内と同じ様に名前を呼びながらインターホンを鳴らしたりドアを叩いたりしたが、すぐに諦めた。
「反応が無いですね・・・。では、開けてみますね。」
青年は鍵を開けると、先陣を切り部屋の中に入ろうとしたが、山内がそれを制した。
「あ、先に我々が・・・。」
言葉の意味を理解した青年が一歩下がる。同時に山内と新田が部屋内に踏み込む。
「嘘だろ・・・。」
新田が目を白黒させる。二度目の惨劇。殺されてからまだそんなに時間が経っていないのだろう。有田の体からはまだ血が滴り落ちていた。
「新田!応援を呼んでくれ!俺はちょっと行きたい所が有る。」
「はい!」
新田がすぐに手配する。すぐに応援がやって来る。山内はさっさと引き継ぎを済ませると外に停めてある車に乗り込んだ。
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