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お化け屋敷を出たと同時に再び雨がパラパラと音を立て始めた。朝よりも雨足が強くなっている。
「陽太、雨強くなってきたし、今日はもう帰るか」
陽太は黙って頷いた。まだ少し名残惜しそうな顔はしているが雨の中、はしゃいでいたお陰で疲れたのだろう。
「ほら、陽太、車までおんぶで行くぞ!」
先程は抱っこを恥ずかしがっていたが今度はすんなりと弘和の背中に引っ付いた。
陽太はこの時間が好きだった。父と遊びに出掛けて、たくさん遊んで、遊び疲れると父がおぶってくれる。雨で少し濡れて蒸れた匂いのする父。とても落ち着く匂いがする。
父の大きな背中にしがみついて、陽太は寝息を立て始めた…
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