雨男

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次の月には水族館。またその次の月は動物園。 毎月のように父と出掛けていたのを20年以上経った今でも覚えている。 雨が降っている日は、窓ガラスに映る景色を見つめて父に思いを馳せる。陽太が思い出に浸っている間も雨音が心地よいBGMになって鳴る。 優しく大きかった父の背中。 あまりにも父との別れは早かった。窓ガラスに映る景色と、自分の姿を見ながら「父さんに会いたい…」 ボソッと呟く陽太。 その時窓に映る陽太の横に、ひょこっと女の子が現れた。 「パパ~、今日も雨降りだね…お出掛けなのにね…」 (そういえば、娘の陽菜(はるな)と出掛ける予定の日はいつも雨だな…) 「陽菜は雨が嫌い?」 「ううん、パパと出掛けられるから好き!」 そんな会話を陽菜としていると陽太はあることに気付いた。 ああ、そうか、雨男は父さんじゃなくて俺だったんだ。 「はっはっは!今日もパパのお陰で雨が降ったぞ~!」
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