この世に、二人だけ

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 それは今から、半年ほど前――  優子は一人の男に、執拗に付きまとわれていた。その男に出会ったのは、いわゆる「合コン」みたいなもので、優子はあまり気が進まなかったものの、女性側の人数合わせにと頼まれて、仕方なく出席したのだったが。  男性側の一人がなぜか優子に執着してしまい、合コンの終わった次の日から、毎日優子に電話をかけ始め。遂には仕事先から自宅のそばまで付きまとうようになり。そのしつこさに優子はたまりかね、これ以上続けるのなら、警察を呼びますよ? と警告したのだが、これがその男の怒りを買ってしまった。ある夜優子は、その男に拉致され。この人里離れた山荘へと連れて来られたのだった。  男は医大に通っていると言っていたので、そういった「処置」にも慣れていたのだろう。優子が気を失っているうちに、彼女の手足を切り落とし。山荘から自力では逃げられないようにしたのだった。意識を取り戻した優子は、その事実に驚愕し、そして絶望したが……それからが本当の「地獄」だった。  身動き出来ない優子は、何日にも渡り、男に陵辱され続けた。優子は抵抗も出来ないまま、その体を弄ばれ。願う事はただひとつ、この男がいつかこの「遊び」に飽きて。自分を殺してくれればいい……その事だけだった。
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