11人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
撮影会
スタジオ内には杉生と秋川との二人切りになった。
「先ずはシャワー浴びてきてよ。で、バスローブあるからそれに着替えてきて」
秋川がバスルームから戻ると杉生は着替えてはおらず、フルートグラスを手にしていた。
「お先に。あんたは酒飲める?晴季はあんな涼しい顔してザルだよな?
いくら酔い潰そうとしても、全然ダメだった」
手渡されたグラスに口を付けようとはしない秋川を、杉生はからかう。
「ヤバいクスリでも入ってると思って、警戒してるの?」
グラスの中身を一気に飲み干した秋川の飲みっぷりを眺めていた杉生が言った。
「実はさ、ギフトって英語じゃないんだよね」
「え?」
「ドイツ語にも同じ綴りの言葉があるんだけど、何て意味だか解る?」
「解りません」
「毒薬だよ」
「!?」
「おれ、クォーターなんだよね。母方の祖父がドイツ人。面白いよねぇ。英語では天与、神様からの贈り物的な意味なのに、ドイツ語では劇薬とか毒物って」
「・・・・・・」
「でもさ、毒は毒でもスグに効くようなのは全然面白くないと思わない?最初は何ともなくて、ゆっくりと知らない内にジワリジワリと回っていって、気付いた時にはもう手遅れになっているのとか理想的だなぁ」
「・・・何の話だ?]
最初のコメントを投稿しよう!