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おじいちゃんの命日が今日だって、去年知った。
おじいちゃんが亡くなったのは7年前。私が4歳の時だ。おじいちゃんが亡くなったと母親から聞かされた時、悲しかった。
涙は出なかった。
棺におじいちゃんに向けた手紙を書いて入れた。今ではもう何を書いたか覚えてない。
あの日、私は何を思っていたのだろう。
まだ、自分のことを「なっちゃん」と呼んでいたあの日。ほっぺたがプクリと膨らんでいた丸い顔のあの日。幼稚園に迎えがきたあの日。おじいちゃんが亡くなっても涙が出なかったあの日。おじいちゃんがいなくなると思っていなかった午前中だったあの日。
私は、何を―。
今、私は仏壇に手を合わせている。
おじいちゃんが亡くなったこと。今、全然悲しくない。
よく考えるとおじいちゃんが亡くなってからずっと悲しくない。
おじいちゃんに対して涙を流したことがない。
これは、酷いことなんだろうか。
人が亡くなって、悲しくないと言える。
酷いことなのか。
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