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春馬がこちらに向けて何か言おうとしているのは分かったが、今何かを話せる気もしないので無視する
ごめんね
荒々しくドアを開けて、その場を後にした
外で待っていた西野はその音を聞くと、
どうしたんだとばかりにこちらへと近づく
「大丈夫でしたか?」
心配そうにこちらを覗く
「、、、うん。」
結のその様子をみて悟る
「なにか、、あったんですね」
「わかりますよ、先生が敬語なしの”うん”なんて珍しいですからね」
そう西野がいうと、すぐに結はしまったという顔をする
「とりあえず、新入生歓迎会は参加者という位置になりました。よろしくお願いします」
少々無理やりであったが話をそらせるのに必死だった
この学園に来てから、こんなことばかりだ
今まで自分の心など読まれることも乱れることもなくうまくやってきたつもりだ。
気が緩んでしまったのだと反省する
「先生が話したくなったら話してくださいね。いつでも聞きますよ。」
西野は優しく微笑んでから廊下を歩きだした。
そこから西野は何も聞かなかった。
さすが空気が読める男だなって思った
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