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「そしたら毎日、結ちゃんが看病しに来てよ」
そう言って、春馬はにやにやすると
そのあとすぐに真面目な顔に戻る
「ねえ、結ちゃん。俺は結ちゃんが好きなんだよ。あの告白、忘れてないよね?返事貰ってなかった。」
もちろん、忘れてなどはいない。
でも、この返事というものをすることで色々変わってしまうのは嫌だ
春馬のことは好き
でもこれは”家族”のような意味であるのだろう。
"可愛い弟"どうしてもそう考えずにはいられない
どこかでこの話題に触れないようにしていた自分がいた。
でも、いまの真剣な目を見たら冗談で言ってるのではないとわかる。
だからしっかり返さなきゃ。
「、、、僕は春馬のことを家族として好きだよ。そう言った対象では見えない。」
春馬のほうを見てまっすぐに言う
すると少しの沈黙の後、春馬が声を出した
「男、、だからじゃないの?家族だからダメなの?」
「僕は、好きになる人は必ずしも女だとは思っていないよ。好きになった人が好きなんだ」
これは本当のことだ。きっと男と付き合うのは無理だと言えばすんなり諦めると思うが、それは嘘になる。こんなに真っすぐな春馬に嘘をつくのはどうしても出来なかった
「今は弟かもしれないけど、これからがんばったら一人の男としてみてくれる?」
きっと春馬は、僕が作り上げた”佐久良結”という人物が好きなのであろう
本当の僕じゃない
「、、、春馬。春馬の好きな結は僕じゃないよ」
結がそういうと春馬は意味が分からないといった顔でこちらを見てくる
当然だ
春馬と会ったあの日から猫を被り続けてきた
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