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お客さん、もう100年も前からこの曲で暴れてるみてぇだな。一瞬も、誰も戸惑わずにアウトロまで走りきる。
一瞬の間をおいて、宵闇のベースが短いフレーズを奏でる。呼応するように、同じフレーズをスタッカート気味でギターが返す。繰り返すそのやり取りに合わせて強いストロボが会場を叩く。
バスドラが16カウントの4分を刻む。そこへスネアが乗り、フラムを一発。
「踊れ! 乱舞!!」
綺悧の声に、フロアが沸き立つ。
ヘヴィだけど、ダンサブルな乱舞。決まった振り付けなんかねぇ。それぞれが思うままに、激しく踊ってる。そう来ねぇとな。
音楽は、自由なんだ。
暴れて、踊って、俺らに挑んで来てくれ。着いてこねぇヤツは置いてってやる。
こんなとこで振り落とされるヤツなんか、構ってる暇はねぇよ。
俺の上げた腕の先で、スティックがくるくると回る。
誰一人として、振り落とされてねぇじゃん。俺の肌に押し寄せて来るフロアからの圧はすげぇ。
でもまだまだだ。こんな程度の圧じゃ俺らは潰せねぇぞ。
曲は乱舞からLike Abyssへ。
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