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「あ、そう? じゃあ他に叩ける人いないからお願いしよっかな?」  お客さんからも、慰留の声が上がる。だよな? 俺、必要だろ? 「っていう感じで、夕さんあと何曲か」 「全部叩くわ!」 「何かラストまでいてくれるみたいなので」 「明日もいるしな!」 「明日もいるってー!」  お客さんは嬉しい歓声と拍手で応えてくれる。良かった。 「じゃあね、この5人で新生ベルノワール、ヤバいとこまで行くから…着いてきてくれるかー!?」  綺悧の問いかけに、雄叫びが返ってくる。絶対ここにいる全員、一緒にでっけぇハコに、世界に行こうぜ。 「それじゃ次の曲。Eye Believe」  キラキラめのシンセと共に、ミラーボールが回り出す。フロアを泳ぐ光の粒が綺麗だ。  ギターがカッティングで掛け合う中へ、ドラムがフィルから割り込んで蹴り上げる。ぶわっとフロアのボルテージが上がったのが目に見えるぜ。  ヘドバンよりも、振り付けっぽいリアクションが多いんだな。ベルノワールではキャッチーな部類の曲だ。それでも、要所要所に入るデスボイスが雰囲気をぐっと締める。  歌詞はちょっとエグめだったな。その落差も宵闇らしいわ。
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