Hell‘s Bells

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　この間のイベントと、今日のワンマンは同じハコだ。当然、前者は出演の4バンドのファンが入り交じってて、ベルノワールの客は少なかった。今日は100%ベルノワールのファンだ。
　返ってくるリアクションが、やっぱ違う。雰囲気の濃度も違う。それはダイレクトに俺らのテンションに影響する。客が少なきゃ、こっちを向かせてやるって形で、多けりゃ、着いて来やがれって形でテンションが上がる。どっちみちテンションは上がるんだけど、ベクトルが変わる。
　そうすると、見える景色も変化するんだよな。ライブは俺らがプレイすれば完成じゃなくて、お客さんも一緒に作ってんだ、ってのがよくわかる。
「ワンマンやって来た中では一番大きい会場で、これだけ来てくれて、ありがとう！」
　綺悧の感謝に、歓声が返ってきた。このライブを控えてのメンバーチェンジってのは、不安要素でもあっただろう。それも、正式なお披露目が今日。煌丞のファンがどれ程減るのか、俺がお披露目までにどれくらいファンの興味を引き付けられるのか。全く読めなかったはずだ。何なら、もう半年我慢して、今日明日を煌丞脱退ライブにする方が安全だっただろう。