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スラスラと答えた朱雨は、フロアの拍手を両腕を広げて受け止めている。お前はGLAYか。TERUさんか。
「…えと、これ聴けば、ドラム全部夕さんなんだね?」
気を取り直した綺悧が俺に確認する。俺が頷くと、くるりと客席を向いた。
「ってことだから、夕さん推しはそっちも楽しみだね!」
俺から入って、ディスコードみてぇな複雑怪奇な楽曲にハマる人が出て来たら嬉しいよな。
「ディスコードはライブサポートもやってるでしょ?」
「こないだツアー行ってきたし、来年のスケジュールも入ってるよ」
「やっぱりリハからやるんだよね?」
「おう。普通にリハもゲネプロもメンバーと同じようにやる」
ベルノはゲストプレイヤーを迎えたことがないもんな。ライブサポートとなるとお客さん扱いはされねぇ。
「そうなんだね。あちこち呼ばれてて、忙しいね」
「まあまあ? でも、宵闇の方がもっと忙しいんじゃね?」
宵闇の名前を出して、そっちを見てみる。腕を組んだまま、ほんの少しだけ首を傾げてる。デフォルト状態との違いは、大体、サイゼリヤの間違い探しのラスト2個レベル。
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