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「今日はサイズがもう、SとM売り切れちゃったからごめんね。まだLとXLはあるから、女の子はオーバーサイズでゆるっと着るのも可愛いと思うよ」
カラーは黒で、袖口にベルノワールのロゴ、背中にはHate or Fateのジャケットのモチーフであるメビウスの輪と薔薇。そこに、今回のライブのタイトル、日程が入ってる。
これ、俺も普通に着るつもり。
「ランチェキは完売です。ありがとうね! 今日は私服だったんだけど、明日また違うの出すから、明日もよろしくー」
おーおー、ちゃっかり明日の宣伝まで入れて来るじゃねぇの。
「次は?」
綺悧が聞くと、秋本さんは手に持ってたトートバッグからタオルを出して、両手で広げて頭上に掲げる。
お客さんはどっと笑う。
「秋本さん、逆逆!」
うん、俺からプリントがよく見えるわ。それじゃダメじゃん。
秋本さんは慌てて裏表を返す。
「ほら、逆さま逆さま」
今度は上下が逆だったか。わたわたしながら、どうにか正しい向きに向ける。
「はい、タオルは2000円! お買い得ー」
お客さんも付き合いいいねぇ。拍手してくれてるよ。
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