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井筒先輩は、小柄な体の割に豊満な胸を強調するように突き出し、ニヤッと笑う。
「……本社に来てもいつまでも垢抜けないわね」
「余計なお世話ですよ!」
むかっとして思わず反論。いつもならそこで機嫌が悪くなる井筒お嬢様だが、さすがに今日は、自分が無茶を言っている自覚はあるらしい。
「ね、お願い。彼氏を作るチャンスじゃない。しかも相手は文句なしのハイスペック」
「近づきたいなんて思ったことありませんってば。ほんと、ちょっと考え直して」
「だめよ。社長とお近づきになるためには、どうしてもあの男が邪魔なのよ」
そうだ、頭に来て忘れかけていたが、井筒先輩の言う『あの男』がこのバーの中にいる。
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