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【たぶん始まり けれど終わり】
2020/6・21 ㊐
てんてんのお話は
「今世紀最大の一大事だ」
で始まり
「また必ず会えると
知っているから」
で終わります。
#こんなお話いかがですか #shindanmaker
https://shindanmaker.com/804548
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【たぶん始まり、けれど終わり】
いつもの朝だった。
強いて言うなら、雨だった。
こんな雨の日には
いい記憶がない。
だから、
その出会いは、
今世紀最大の一大事。
「なにしてるんですか?」
「ちょっと探し物を」
「何を探してるんですか?」
「人からいただいたものを。」
家の前の坂を下ると、
海岸に出る道。
いつも、
海の様子を確認してしまうのは
幼い頃からの
習性みたいなもの。
その人は
たぶん
浦島太郎さんだ。
この見た目
ほっとくべきだった。
だけど。
声をかけてしまった。
「えーと。玉手箱ですか?」
「は?」
びっくりするよね、浦島さん。
「玉手箱無くしましたか?」
「なぜ、それを?」
なんとなく、
必ず会えると知っているから、
別れたあの朝を思い出した。
「その節は、
お世話になりました。
万年生きた亀の
ほんとの恩返し。
これから、
一緒にいかがですか?」
たろさんに、恋した亀のお話。
(終)
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