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「……なら、私は、泉岳寺で眠る殿の御前で……」
「腹を切ると……」と言うと大石は「なあ、小鶴殿。頼みがあるんじゃが……」と大きく息を飲んで小鶴を諭すように言った。
「……はい」
「討ち入りのあと、我らは我が主君の眠る泉岳寺にご報告に出向く。その時……」
「…………私に逃げろと……?」
「逃げるのではない。我らの働きを後世に伝える仕事を小鶴殿にして欲しいのだ」
「……はい」
「受け入れて貰えるだろうか」
「……分かりました」
「済まんな。小鶴殿、身体を大切に。また来世で会おうな」
「大石殿……私も楽しみにしています」
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