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結局お狐様を見つける事は出来ず、とうとう晴れの日になってしまった。 でもこんな事初めてだから俺は念のため傘を持ってきた。 もし雨が降って濡れたくないし…。 そして、今日こそはと思ってさっさと学校を出て神社へと向かう道すがら後ろから強い力で引っ張られた。 「ぅおっ!…っぶねー……なんだよ、晃。急に引っ張るな」 「なんでまた先に帰ろうとしてるの。しかもこっち家の方向じゃないよね?」 「…寄り道しようと思っただけだ。いいから、離せ。そんで、帰れ」 目を合わせず俯きながらそう言えば握られた腕に力が込められた。 …痛いんだけど。 「…ねえ、やっぱりちゃんと2人で話し合いたい。なんで春彦に無視されるのか俺、本当にわかんないよ。俺のこと、嫌いになった?」 「…嫌いになんか、」 なってねーよ。寧ろ、好きだ。 だけどどうしてもその先が言えず俺は口籠る。
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