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そう伝えると晃に力強く抱きしめられた。
「そんな未来、俺が変える!絶対、絶対に春彦は俺の隣にいる!…他の誰かの隣になんて、並ばせてあげない」
「…そりゃ、今はなんとでも言えるさ」
だけどこの先またいろんな人と出会うだろう。
俺より魅力的な人なんて山ほどいるんだ。
そっちに晃が靡かないなんて俺は思えない。
「だから、な。晃。…俺たちはただの幼馴染に戻ろう。な、離してくれよ」
「嫌だ!春彦がこのまま俺の隣にいるって言うまで、俺はこの手を離さない!」
らちがあかない…。
抱きしめられたままお狐様?を見上げるとにやにやとした笑みを浮かべて俺たちを見ていた。
…なんか腹たつぞ。
「そなたたち、愉快じゃなぁ?…ふむ。ちと、お主はネガティブすぎじゃ。そちは、こじれすぎ。……まあ、よい。我の力をもってすれば、皆ハッピーエンドじゃ!」
そう言ってお狐様が俺たちに手を翳して何かを唱えた。
……お狐様って意外と現代の言葉を知ってるんだな。
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