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お互いに傘をさして微妙な距離のまま歩いていると「そういえばさ」と晃が口を開いた。
なんだ？と視線だけを向ける。
「この間聞いたんだけど、6月に一度だけ絶対に雨が振らない年があるらしいよ。しかも、それが今年なんだって！俺たち運良くない！？」
「…へぇ。それっていつなんだ」
「あれ、いつもはこういう話スルーするのに珍しいね？」
「……そりゃ、こんだけ毎年雨が降り続けてたらな」
危ない。先日聞いた噂話のせいで聞いてしまった。
適当に言い訳すると「それもそっかー」と晃は納得してくれたようだった。
ーーあの噂は、本当だったのか。
本当ならば、俺は叶えて欲しい事があるんだ。
今の俺じゃあ到底、無理なお願い事が。
「あ、そうそう。その日なんだけどさーー」
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