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もしあれが嘘だったのならば俺はもうあいつの側にはいられない。
ーー晃の側には。
あいつを好きだと自覚したのはいつ頃だっただろうか。
……多分、こんな風に土砂降りの日だったはず。
持ってきていた傘を盗まれて、途方に暮れていた俺を傘にいれてくれた。
少女漫画みたいだななんて思っていたけど、本当に少女漫画のように恋をするなんて思いもしなかった。
ふとあいつの方を見た時肩が濡れているのを見て「お前の傘なんだから、自分が濡れるなよ」と言ったらあいつは笑いながら言ったんだ。
「春彦が風邪引いて辛そうににしてる所見たくないんだ」
と。
…でもあれはこの恋に気づくきっかけに過ぎなかったんだろう。
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