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新しいオトモダチ
ジューンベリーの足元の金蓮花の鮮やかな山吹色と緋色。そこに雑草よけのバークチップを足すべく、庭でチップの入った袋を抱えた梅雨の晴れ間。
『こんにちは!!』
きんと高い幼い声に油断しまくった心臓がはねる。
バクバクの心臓を宥め腰を曲げたままで、そおっと樹木越しに視線をあげた。
あれ誰も居なくない?
「、、、こんにちは?」
「こんにちはっ!!なにしてるんですか!!」
ひぃぃっ
ちかっっ!近いぞ!?え??!
投げた視線を庭先からぐるりと自身に引き寄せる。
「ひっ」
真横!!フェンス越しだけど!!!絡んだ竜の髭越しだけども!!!メヂカラ!!!顔近すぎるだろ!!鼻がフェンスについてるぞ!どこの野良山羊だ!!?って距離だよ!あたしが腰を曲げてるせいもあるけど!あるけれどもさ!!
叫びと後ずさりかけるのをプライドで押しとどめ姿勢を正し、こんにちは、と返す。
黄色い帽子が3つ。イタズラが成功したがきんちょのふふんな口元に負けるもんかと。
距離を取るべく門扉側の開けた庭先にそそっと移動した。
がきんちょもぞろぞろと移動する。ここなら植え込み花壇がある。近いけども適正距離だ。腰とともに戻した視線も高いから真横にはならない。正面なら問題ない。なにが問題かはわからない。
落ち着け落ち着け。
「トモダチになってください!」
「はい?」
「おっけー!いいよ!!」
「そうちゃんとオレもトモダチだからオレもなってやるよ!」
「え、あ、はい?」
「「さようならー」」
「ばいばーい」
「、、バイバイ?」
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