紐付け

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白湯(しらと)村のお話 昔々。 大きな戦がありました。 戦いの中で、敵を掻い潜った、たった独りのお侍さんは敵の情報を味方に教えなくてはなりません。ですが体には傷を負い、山を越えた先の遠く離れた味方の処までは辿り着けそうにありません。 お侍さんは祈りました。どうか命果てる前に味方に辿り着いて、戦況を伝えさせて下さい。母から貰った御守りに一心に祈りました。 すると、さわさわと声がします。この先に白い池がある。そこを湯にしてやろう。傷を癒せばよい。お侍さんはただただ導かれるままに湯に浸かりました。 そしてなんとか山をおり麓の村にたどり着き、伝令を飛ばすことが叶いました。ですがお侍さんはとても疲れており、すぐには遠く離れた味方の処までは行けません。優しい村人達の好意でしばらく体を休めることにしました。 お侍さんは白い池の湯の話を村人に伝えました。自分が産まれた際に母上が参った神社の神様が力をお貸しくださったのだと、信心し池に御守りに入っていた一寸程の白龍像を奉納しました。 溜池であった白い池の湯は、地下を通り村に湧き出し、やがて村の名は白湯(しらと)村となりました。
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