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鉛筆を置く。
拙い創作をさらさらっと読み上げる。
カーテンを閉め切った薄暗い室内の片隅にチラリチラリと光が踊るように瞬く。
「なんなら幸せな二神の後日談もいります?実際は知りませんけど。」
ぶわりと光が膨らんで弾けて、また小さくなる。どうやっても視界の端にしか映らないよう計算されたそれは、正直うっとうしい。
促されて、参拝した神社の神主の慇懃さは滑稽で、真白様が最高神だと鼻持ちならなかった。でもなー。あれはあれで、敬虔な信徒だからなぁ。
『代々語り継ぎ、勉強してきた私がそんな松だか蛇のことは知らない。そんな勝手な話はどこの神社かね。抗議しなくてはならないね。』不遜に嘲笑った脂ぎった神職者はひどい下衆だった。
村の起源。神社の起源。
大雨と神託。
お侍さんの行き着く先の住処。
ぱっとみ纏められてる成り立ち。だけど足りないピース。わからない謎かけ。いらないパーツ。組み直し、足していけば簡単なことで、それは何一つ不名誉じゃない。
「でもきっと、いろいろあって」
うちのかみさまがいちばんえらい、になっちゃったんだろうなぁ。それはそれでいいんだけどね。
「だけど。他を見下すのは、あの神主の悪意だね。気分悪くなっちゃった。」
白蛇様が居た田松神社はもうない。白山様を祀る山に他の神様たちとお社を間借りして、永らえていらっしゃる。ほんの五行に纏められた神様の成り立ちを添えてあるだけだ。その一行が白蛇様の話で、だから別に、真白神社の神主が知らなくても、、嫌ダメだな。知るべきじゃない?白龍様が溺愛の白蛇様を攻撃する気よね、あの神主。
ぶわりとまた光が膨らんで弾ける。
「うっとうしいなぁ。はいこれ奉納ね、奉納。持っていっていいですよー。」
よいせ、と立ち上がり伸びをする。ルーズリーフをテーブルにあげたまま台所を後に勝手口を開けた。
「あー!」
「あっ!こんにちは!」
「こんにちはー!」
「、、こんにちは。お帰りなさい。」
学習しろ、あたし。
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