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狩り場とは
雑草よけになるかと、春から片隅に放置した冬囲いに使っていたこも。不燃物収集日の今朝、回収回収と持ち上げたら。
惰眠な蛇がいた。
2匹。
悲鳴を飲み込む。
とぐろを巻いた状態で手の平からこぼれるサイズ。大きくは無い。シマヘビか。とりあえずこもは回収だ。そしてさっさと指定袋に入れてゴミ捨て場に運ぼう。
「ひっ」
こもをできるだけ触らないように指定袋にねじこむ。蛇が気になり振り返った足元に、長い尾羽が動いていた。思わず声が出た。
揺れる長く白い横縞の尾羽の先にずんぐりした楕円の胴体。首は青緑の光沢。上下する顔周りは赤く、嘴には長いロープが
蛇じゃん!蛇!寝てたやつ!!
よく見れば雉子の足元にも爪に捕らえられた蛇がいる。朝から2匹喰いとは豪勢だな。
雉子は国鳥。雉子は偉い。そして凶暴だ。しかも食事中。気が立っているかもしれない。怖い。
こもを回収したから庭に用事は無い。指定袋をなんとなーく持ち上げて、ぶんっと振り回す。バサバサバサバサと羽音がした。
石壁に沿って体を伸ばしするりと消えていくシマヘビ。
石畳を悠々歩く獲物を咥えた雉子。
二度とこもを放置しないと誓います。
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